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2011 津ミッドウィンターの3日


報告: 安藤 啓正

ミッドウィンターショックから立ち直り,やっと報告です。

2011年津ミッドウィンターにエントリーしたのは,ほんの勢いだったのですが,まさか雪のなかでのレースになるとは思っていませんでした。

レース当日,淡路島サントピアマリーナを午前4時に出発し,津に向かったのですが,なんと高速道路が雪で速度制限,まるで北海道です。圧雪道路には慣れているものの,平均時速40kmくらいで,予定より1時間以上遅れて津に到着しました。雪の積もったマリーナには,既に西野さんと八木谷さんが到着され,寒さに凍えています。

DAY1のレースは午後スタート。寒いのですが,風は弱く一安心。和歌山ラジアル選手権と同じく,トップセイラーのスタートを2列から観察です。気がつくと,いつの間にかアウターマーク。あとは観覧レーザー乗りとなって,いつものように1レースが終わりました。

レセプションはなく,その夜は,"アラシックスティー" にお誘いいただき,目黒さん(は,なんとケープホナーです。),滝野さん(ルースター日本代理人),高橋さん(JALのメカニック),西野さん(はアラフォー* ですが)とホテル近くで中華料理をいただきながらヨット談義をしていたら,目黒さんから馬場さん(KAZIで気象五輪書を連載されている方です。)を紹介していただき,外洋航海と気象のお話を伺い,ついでにコンサルタント仮契約の話までしてしまいました。

DAY2の過酷さについては,私が報告するよりは,長浜フリートの掲示板をご覧下さい。

ちなみに,DAY2の第1レースは 6~7m/s,私の後ろに5杯,前夜に西野さんに誓った一言,「西野さんを追っかけますから。」。で,西野さんが「...ということは,後ろを走るっつうことやな。**」。そんな私の誓いは,風のいたずれで破られたようでした。

その顛末ですが,記憶によれば,アウターループの3マークに向かうフリーでは,けっこうなブローが入っていたようで,センターを少し下ろしてセーフティーセイリング中,3マーク回航したそのときに,私の背中をかすめて西野さんのマストがスターンにゴン!*** 3マークチェック艇からは黄色い声が...!

あの,ブローのおかげで,西野さんの追撃をかわし,唯一1回だけ,先を行かせていただきました。

第2レースは 8~9m/s,ブローで 12m/s以上あったと聞きましたが... スタート付近はセールのびびり音と風が唸る音で,ホーンなどは全く聞こえません。でも,1列目の若人は,みごとにホバリングしてカウントダウンしています。妙に見とれていた時に変な波で半沈し,体は冷えてガチガチ,気がつくと既にスタートしているではありませんか。

完全に観覧艇の私は,吹きあがる風と寒さでノックダウン。このレースをフィニッシュしたらN旗・A旗の掲揚を決断し,ドベのフリーを安全にと思っていたら,吹き飛ばされて3マークからどんどん離れて行きます。ジャイブを放棄してタックしてから3マークを目指します。なんと 4.7ジュニアは帽子も被らずスネークしてかっ飛んでいきます。デスロールしそうになっても,なんとか起こしています。それを見ている観覧艇の私はバウ沈で水浴中。

本部艇に告げてハーバーバックしながら,白石康次郎の「恐怖を感じたときは,セーリングはあきらめるべき。」という言葉を反芻しながら第3レースのスタート艇の数を数える私でした。

ハーバーに着くと,加藤さんと青い顔をした同胞の村形さんがいるではありませんか。

私,「こんなレースつまんなくて帰ってきましたよ。」,某スタッフ女性,「そうですか,レースが短かったですかね! 報告しときます。」とつっこまれ,正直に,「寒くて腹筋と腿が痙攣しちゃいましたよ。」,すると加藤さん,「それを我慢していたら,痛みを感じなくなって,また行けるんだがなぁ。」と,諭され,いたく感銘いたしました。

DAY3は,前日と同じく朝から吹いています。節々が病んでますが,とにかく1レース完走を目標に出艇申告。コンスタントに 8m/sくらい吹いています。本日も観覧艇で,第3マークに向かていると,先頭集団が迫ってきます。ミートを避けてハンドリングしていたら,JAPANの女性から「シモー!」って叫ばれました。なぬ,「タックがちゃうやろ。」ってつぶやいていたら,かわしてあっという間に上っていきました。(注: 似非『JAPAN』が横行していました。)。

第1レースをフィニッシュしたら,既に11時を過ぎており,明日の仕事を口実にハーバーバック。艇をカートップし,津を後にして,ミッドウィンターつまみ食いが終了しました。

50代後半のレーザー乗りにとって,ミッドウィンター3日間は,ボルボオーシャンレース的過酷さ(経験はしてませんが。)でしょうか。このエントリーは1度で十分,再度エントリーすることがあれば,健康診断を受け,高額生命保険にでも入らない限り,嫁はんの許可は出そうにありません。

しかしながら,マリーナに戻り,海を眺めていると,船出したくなるこの性は何なんでしょうか。


西野註:
* 正しくはアラフィフです。
** 僕の後を走ってくれるということですね、の意。
*** その時のジャイブ、沈せずにいけると思ったんですけどねー。ゴメンナサイ


・成績表  スタンダード ラジアル 4.7
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