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グアムの風   半端ねぇ~~~て !!!


報告: 山崎 正順

「寒い日本でウエットスーツに身を固めセーリングしている日本のセイラーの皆さん!! ごめんなさい。
私は 青い透き通った海、暖かい常夏の島グアムでセーリングをしてきます!!」と私は 3月15日~3月18日の間グアムジャパン親善レースに出るため、ひとりでグアムに向け関西国際空港を飛び立ちました。

【搭乗手続き ...まずは 2つの問題。えっ! 荷物はどうなるの?】
暖かいグアムだからといっても荷物は結構あり、特大サイズのスーツケースとオールインバッグに入れたティラーとラダー・セール・メインシート、トラベラーロープなど 2つの荷物。「スーツケースの方はOKだけど、もう1つのバッグは何ですか?」となりました。

  1. エクステンション・ティラーが長いから追加料金が必要だと。
    「ゴルフバックでは、追加料金は要らないのに。じゃあ、オールインバッグに入れるんじゃなくてゴルフバッグにいれてくれば OKなの?」
  2. 「滞在先は どのホテルですか?」
    「ホテルじゃなくてホームステイだ。迎えにきてくれる。」
    「滞在先のお名前と郵便番号と住所と電話番号が必要だ。入国の際に申告する必要がある。」
    これは、空港でホームステイ先にメールで聞くことになりました。その間空港で 朝食を食べながら返信を待ちました。

結局、1.は追加料金なしで。その代わり帰り便は追加料金なしの保証はない。2.は返信が来てなんとか飛行機に乗ることができました。
なんとなく航空会社とのやりとりは粘り腰の寄り切りで、勝ち。

【グアムに到着。そして... 】
飛行機の窓からグアム島が見え始めたとき マリアナス・ヨット・クラブのあるアプラ港(Apra Harbour)が眼下に見えました。私がグーグルマップで見ていた形がそこにありました。
グアムの通常の風だと空港にはこのルートになるのしょうか。
私は事前に ESTA『渡航承認許可』を取っていたので入国審査は比較的早くできました。
常夏のグアムなので冬の上着を脱ぎ半袖になって自分の荷物をとって到着出口を出るとお迎えのピーターさんがいました。メールでお互いの写真をやりとりしていたので直ぐにわかることができました。
比較的早めに空港での手続きが済んだけど 聞いてみると外で 1時間ほど待ってくれていたらしくピーターさんには申し訳ない限りでした。それから、ホームステイ先に行ってスーツケースを降ろしセールとラダー・ティラーと備品を持ってハーバーに行きました。マリアナス・ヨット・クラブに着くと、もう一人の日本人、古田さんがいました。陽気で声が大きく誰とも人懐っこくしゃべっていました。女の孫さんが前回ここに来た時にグアムの友達ができたそうで孫の為にも来てるんだとも言っていました。元気な 64歳。私と同じ歳でした。
チャーターボートの引き取り。アウトホール、カンニンガム、バング。テークルによって使うブロックなどは異なりますがそれを用意しとけばレーザーだったら世界中どこでも乗れるのがいいですよね。よおーーし! 明日は、頑張るぞ!

【グアムの風!! 半端ねぇ~~~って! 】
グアムは北緯15度ぐらいに位置している。北緯30度ぐらいまでは貿易風が吹いていると理科の時間でしたか教わりましたね。と言うことは 3月のグアムは強い東風の貿易風が吹くんですよ。16日の風は朝から貿易風の東風の洗礼を受けることになりました。グーグル・マップで見ると右から左。ヨットクラブからは途中、リーフがあるので大きく回ってアプラ港に出る。
最初のうちは元気にジャイブもしていましたが、そのうち第1レースの前で沈。リタイヤ。第2レースの前でも沈。リタイヤ。だんだん風も強くなってきてスタートのホーンを彼方に聞きながら沈。体もヘロヘロになりながらもなんとかグリップに手が届きそうなところで滑ってまた半沈。結局、沈をしている間にティラーとラダーを流されてしまって無く 海軍のテリトリーのリーフの近くまで流されてしまいレスキューされました。体はヘロヘロ。私のカーボンティラー・カーボンティラーエクステンションそしてラダーはグアムの海にプレゼントをすることになりました。
「女神さま、ティラーとラダーをアプラ港に流してしまいました。」
そうしたら女神さまが現れて...
「そなたのラダーとティラーはアルミティラーとラダー? カーボンティラーとラダー?」
「カ、カ、カーボンティラーとラダーです。」
「そうか、このカーボンティラーとラダーか。正直者のお前には 金のティラーとラダーをさずけよう。」というような妄想も現実的には起こらず。女神さまも現れませんでした。
ただひたすらレスキューボートに引かれてヨットクラブにむなしく帰ることになりました。
その日の昼からのレースは風が強くなった為、中止。明日に延期。レースコミッティの発表では 33 mph (miles per hour)。33 miles が 1609.344m × 33 = 53108.352m、53108.352m ÷ 3600 = 14.75232 m/s。ほぼ 15 m/s? 計算あってますか? 従って土曜日の私は、艇に乗らずほとんどがセンターボードにしがみついた海の中でした。

【グアムの風 2日目】
前日の土曜日は 完全リタイア! オンリー。おまけにティラーとラダーを失う。
2日目はジンジャー夫人に相談しティラーとラダーを貸してもらうことにしました。
延期したレースの消化するために朝早くからスタンバイ。前日にに比べると風もまだマシ。しかし、5つのコースがあって理解できずにコースを間違えたりして 8艇中、1点、9点の繰り返し。
風への慣れとコースの習得が判るようになったらレースは終わりとなりました。

暖かく強い風の貿易風。コバルトブルーの海。
体はヘロヘロ。だけど完全燃焼!
ありがとうございました。グアムの皆さん。本当に楽しかったあ~。命の洗濯ができました。

【グアム 最終日】
私は参加が初めてだったのでゴルフをしましたが、古田さんは最後のパーティで日本食を披露すると聞きました。古田さんも日本では料理はあまりしたことがないらしいけれども 今回は焼き鳥を料理するらしい。行きつけの焼鳥屋のおやじにレシピを教えてもらったらしい。なんか今までやったことをするなんてなんかワクワクするじゃない。これも面白そうだななんて思いました。私は 16時発の飛行機だったので14時までには空港に行かなければなりませんでした。
そこでホームステイ先のピーターさんが午前中のゴルフを付き合ってくれました。そこのゴルフ場は太平洋が眺められるゴルフ場で 非常に楽しく癒されるゴルフをすることができました。

すばらしいおもてなし。グアムの皆さんの親切。 暖かい貿易風。コバルトブルーの海。普通の観光では味わえない体験をさせていただきました。皆様に感謝しかありません。

【追記  地元の新聞に今回のレースが取り上げられました。】
今回のレースのことが THE GUAM DAILY POST に取り上げられました。おまけに写真付きで。
これじゃ、わたしもグアムでは有名人だな。今からサインの練習をしとかないとね。

日本について空港からリムジンバスにのって近くの駅に到着したら 私の奥さんが車で迎えに来てくれていました。
「赤く日焼けしたいい顔してるね。」って言ってくれました。本当に「最高!」だったと思います。
そうそう、行きの飛行機で問題だったオールインバッグに入ったティラーとラダーは帰りの飛行機では流されてありませんでしたので問題になりようがありませんでした。
次のセーリングの為、パフォーマンスにラダー、ティラー、エクステンションティラーを発注しました。ここでも女神さまは現れませんでした。

グアムのジンジャーさん ホームステイ先のピーターさん キャサリンさん そしてMYCの皆様ありがとうございました。素晴らしい時間を共有できたことを深く感謝します。また、お会いできることを楽しみにしております。
多謝。

平成31年3月23日



クラブハウスの前でセールを上げる。この時はまだ元気。[画像クリックで拡大] ピーターさんとキャサリンさんと私。ピーターさんと私は同世代。64歳。[画像クリックで拡大]
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[画像クリックで拡大] 古田さん。ラジアルをリーフして出場。[画像クリックで拡大]
2日で顔は真っ黒!! 体はヘロヘロ! [画像クリックで拡大] 現地の新聞「THE GUAM DAILY POST」に取り上げられました。[画像クリックで拡大]




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